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ロックの部屋

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GENESIS

ジェネシスの歴史


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 1966年ロンドンの寄宿学校チャーターハウス・スクールで【ジ・アノン】というバンドで活躍していたマイケル・ラザフォードとアンソニー・フイリップスに【ザ・ガーデン・ウォール】というバンドにいたピーター・ガブリエルとトニー・バンクスが合体したことから始まる

デッカレコードにデモテープを送りつけた彼らは1968年1月シングル「サイレント・サン」でデビュー。 メンバーはピーター・ガブリエル(ボーカル)トニー・バンクス(オルガン)アンソニー・フイリップス(ギター)マイケル・ラザフォード(ベース)クリス・スチュアートであった。 アルバム2枚出して、アンソニー・フイリップスとクリス・スチュアートが脱退。フイル・コリンズとスティーブ・ハケットが加入する。アルバム『侵入』から『幻惑のブロードウェイ』まで、前期ジェネシスサウンドを確立する。このころの特異なステージでの演劇的パフォーマンスは熱狂的な人気を集める。

『幻惑のブロードウェイ』発表後、ピーター・ガブリエル脱退。4人で再出発。ボーカルがフィル・コリンズとなる。演劇性はなくなったものの、よりドラマチックかつ叙情的なサウンドとなる。4人で2作のアルバム『トリック・オブ・ザ・テイル』『静寂の嵐』を発表。

『静寂の嵐』発表後、スティーブ・ハケット脱退。3人となり、『そして3人が残った』発表。音的にはこのあたりまでが中期。ヨーロッパではNo1ロックバンドとしての地位を確立する。

3人となってからの2作目のアルバム『デューク』は初の全英チャートNo1に輝く。続く『アバカブ』は全米トップ10アルバムとなり全世界的な人気バンドとなる。音的には中期の繊細さ叙情性を残しつつよりポップにドラマチックになる。続く『ジェネシス』『インビィジブル・タッチ』も大ヒット。この時期を後期と位置づけて良いと思う。苦節25年ジェネシスはロックの早い流れの中で、自己のスタイルを確立し成長しスーパーバンドとなったのだ。

後期以降ソロでの活躍も見逃せない。代表はフィル・コリンズ 「恋はあせらず」「見つめていたい」「ワン・モア・ナイト」「ススーディオ」「グルービー・カインド・オブ・ラブ」などNo1ヒットを連発。ジェネシスとは違い、バックにEW&Fを起用するなどよりブラスバンド色を強めたロックナンバーやバラード曲を発表する。 マイケル・ラザフォードは、マイク&メカニックスを結成リビング・イヤーズ」は全米1位を記録する。

その後のジェネシスは、フイル・コリンズ、トニー・バンクス、マイケル・ラザフォードの3人としては、最後のアルバム『ウイ・キャント・ダンス』を発表する。中期のころの繊細さや優しさが感じられる作品。このアルバム発表後中期以降中心的存在だった フイル・コリンズが脱退する。

トニー・バンクス、マイケル・ラザフォードは新たにボーカリスト、レイ・ウイルソンを加えジェネシスとして活動することを決断する。そして新生ジェネシス『コーリング・フォー・ステイション』発表。

そして現在目立ったニュースはないがフイル・コリンズが抜けて【ジェネシス】は既に終わってしまったと言えなくもない。




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ジェネシス『FROM GENESIS TO REVELATION』(創世記)



【ジェネシス】ファンの中ではこのアルバムを評価していない人もいるようですが、私は全ジェネシスアルバムの中では3番目か4番目に好きなアルバムです。

まぁ、いわゆるプログレ好きな人には受けは良くないのだろう。それもそのはずこのファーストアルバムはプログレではない。フォークロック色強いアルバムです。当時のデッカレコードでプロデューサーだったジョナサン・キングという人物が【ビージーズ】が好きだったので彼の要望でポップなアルバムを創ろうとしたらしい。しかし、結果は散々な売れゆきだった。

その一因には、ジャケットに【GENESIS】というグループ名を乗せることができなかったというのがあります。それはアメリカに同名バンドが既に存在していたから使用できなかったという事らしいです。それによって、ロックのアルバムとは理解されず宗教関係と間違ってその関係のレコード棚に置かれてしまったとか。

英国オリジナル盤はDECCAから発売され一面真っ黒い色に左上に金色の文字でFROM GENESIS TO REVELATIONと書かれたものです。私が持っているのは米国盤で何故かレーベルがLONDONです。ジャケットもちょっと違って《一面真っ黒い色に左上に金色の文字でFROM GENESIS TO REVELATIONと書かれたもの》は同じなのですが、さらにど真ん中に斜め方向に大きくGENESISと金色に書かれたものです。

曲の方は、ビージーズ風のメロディーもあるもののハーモニーが弱いのでビージーズとまではいってないです。でもピーター・ガブリエルのヴォーカルが繊細で優しい。ちょっと陰りがあって、くすんだ音場が独特の雰囲気をもたらせています。ジェネシス脱退後のピーター・ガブリエルのファーストソロアルバムにも近いものがあります。

なるほど「SILENT SUN」はシングルになっただけに、甘いポップソング。これはビージーズぽいです。でもビージーズには成りきれなかったジェネシス。明るいポップソングを歌うにはピーターの声は余りにも影がありすぎた。

アンソニー・フィリップスの12弦ギターは深く重いし、チェロを弾くマイケル・ラザフォード、フルートやアコーディオンを演奏するピーター・ガブリエル、メロトロンを操作するアンソニー・バンクス(トニー・バンクス)とポップソングを演奏するには多彩(多才)で繊細すぎたようです。

「AM I VERY WRONG」の暗さと影の弾き語りから、晴れ間がパッと拡がるかのようなコーラスに展開するところが聞き所。

「IN THE WILDERNESS」のストリングスも美しくて印象的、ヴォーカルも高揚感があり、最後ピアノソロで閉めるところがドラマチック。

「IN HIDING」「WINDOW」これはストリングスをバックに歌われる切ないフォークナンバー。ピーターの優しさがグッと来る佳曲。

『FROM GENESIS TO REVELATION』(創世記)はジェネシスというよりはピーター・ガブリエルの素顔が見えるアルバムです。だから素晴らしいのです。優しくて美しくて泣けるアルバムでもあります。


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